株式会社オライリー・ジャパン様の『生成AIで強化するSEO戦略―品質・効率・コストを改善するAIファーストアプローチ』の制作のお手伝いをさせていただきました。
https://www.oreilly.co.jp/books/9784814401536/
オンライン学習プラットフォームでも提供されています。
翻訳プロセスそのものを「AIファースト」に
本書の制作では、従来の翻訳フローとは異なるアプローチを採用しました。
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翻訳者を介さず
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原著および機械翻訳をベースに
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生成AIを活用して編集・品質向上を行う
という、まさにAIファーストな制作体制です。
原著HTMLには索引や各種タグが含まれており、単純な機械翻訳では可読性に課題が生じる部分もありました。そこでChatGPTやClaudeを活用し、
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必要なタグ構造は保持する
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ノイズとなる部分を整理する
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自然な日本語へブラッシュアップする
という工程を経ることで、実用レベルの品質へと仕上げていきました。
AIを“翻訳支援ツール”としてではなく、翻訳・編集パートナーとして活用した点が大きな特徴です。
制作効率を高める自動化システム
スピーディな制作のため、技術基盤も整備しました。
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タグ:Re:VIEW
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組版:TeX
- 実行環境:Docker(AWS上で運用)
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バージョン管理:GitHub
GitHubへコミットするとPDFが自動生成される仕組みを構築・運用することで、制作・修正・確認のサイクルを高速化し、効率と品質を両立しました(詳細は「システム編」で別途紹介予定です)。
「生成AIの本」を、生成AIとともにつくる
本書は、生成AIの登場によって変化しつつある検索環境を前提に、SEOをどのように再設計すべきかを論じた一冊です。単なるAIツール活用法ではなく、品質を担保しながら効率とコストを最適化する運用モデルを提示し、大規模コンテンツ戦略をどのように構築するかを具体的に解説しています。
また印象的なのは、生成AIを活用しながらも、人間(特にプロフェッショナル)による品質管理と最終責任の重要性が繰り返し示されている点です。草案生成や構成案作成、リライト支援、データ整理といった工程はAIによって加速できる一方で、事実確認や専門性の担保、ブランドトーンの統一、そして最終的な判断は人間が担うべきである、という姿勢が繰り返し強調されています。
本書の制作プロセス自体もまた、生成AIの可能性を体現する取り組みとなりました。本書が示す「AIを活用しつつ、人間が品質を担保する」という思想を、制作の現場でも実践した形です。結果として次のような成果が得られました。
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制作期間の短縮
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制作フローの最適化
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品質の担保(生成AIを活用しつつ、最終確認は人間が実施)
出版・制作の現場においても、AIは実践的な選択肢になりつつあります。生成AIを活用した新しい制作モデルの一例として、本プロジェクトが参考になれば幸いです 。