フットスイッチ
お客様から預かった原稿を整理するときに最も多用するキー操作のひとつがカーソル移動です。特に、原稿にひととおり目を通して確認するときには、絶えずカーソルキーを押したり離したりしています。地味な操作ですが、長く続けていると少なからずダメージが蓄積していくように感じられました。そこで、フットスイッチを使って足でカーソルを移動することで負担を軽減できないかと考えました。
ペダルが3つのフットスイッチが5,000円程度に手に入ることがわかったので試してみましたが、思ったほど負担は減りませんでした。ペダルが3つでは4つのカーソルキーのすべてを割り当てられませんし、余計な空白や空行をDeleteキーで削除する操作が思いのほか多く、右手の出番がまだまだ多かったのです。
そこで、もっとペダルが多い製品を探してみたのですが、なかなか見つかりませんでした。やっとペダルが5つの製品をAmazonで発見したのですが、何かの間違いとしか思えないほど高額でした。現在その製品は在庫切れで、再入荷の予定も立っていないとのことで値段は表示されていませんが、私の記憶違いでなければ3ペダルの10倍くらいだったと思います。こんなはずはない、同じ製品を直販しているサイトがあればまともな値段で買えるに違いないと思って探してみると、3ペダルの3倍くらいの値段で販売されていることがわかりました。
Amazonよりはずいぶんマシとはいえ即決できるほどではありませんでしたが、悩んだ末に買っておいてよかったと思っています。このフットスイッチは今でも便利に使っていますし、もう手に入りそうにないからです。今回、改めてその直販サイトを確認してみたところ、私が購入した数か月後に会社が解散していたのです。Amazonで再入荷未定なのも、そのせいなのでしょう。
ペダルが5つあればすべてのカーソルキーとDeleteキーを足で操作できるので、効率は落ちますが、かなりの負担軽減になりました。また、作業内容によっては別のキー操作を割り当てることもあります。たとえば、Word文書で「次を検索」のショートカットキー(Ctrl+PgDn)を繰り返し使いたいときなどに便利です。子ども向けに総ルビを振る書籍の制作では、漢字の箇所だけを1つずつ検索(ワイルドカードで「[一-龠]{1,}」)して集中的にルビを確認するのですが、そういった場合に使っています。
フットスイッチの導入により、カーソル移動やDelete操作の負担を大幅に軽減することができました。しかし、ほっとしたのもつかの間、キーボードでテキストを打ち込む量が多い仕事の予定が入ってきました。言うまでもなく、フットスイッチでは負担を軽減できないタイプの作業です。
(つづく)